三菱樹脂事件~やる夫で学ぶ行政書士試験 三菱樹脂事件~やる夫で学ぶ行政書士試験

三菱樹脂事件~やる夫で学ぶ行政書士試験



 現在連載中 【やる夫による行政書士試験テキスト・問題集レビュー

 2013年8月24日追加「行政書士基礎テキスト 法令編(2013年度版)



行政書士試験に、働きながら独学で合格した体験に基づく試験対策ブログ

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  最終話_合格発表  やる夫による行政書士試験テキスト・問題集レビュー

  やる夫で学ぶ行政書士試験に出そうな判例  



もう6月なんですね。


ほんと月日がたつのは早いです。そんな月日の流れの早さを感じつつ、
すごい久々にやる夫系の更新です。







1

だお


またまた、すげえ久しぶりだお。









やらない夫机


さて、今度は何カ月振りだ・・・・・

なんと、この判例シリーズは前回の更新が2010年8月だったので、実に10カ月振りだな。










2

だお


なんつうか 「もう更新しないじゃねえの、この糞ブログ」と確実に思われていただろうに、なんでまた更新する気になったんだお☆










やらない夫机


さあな・・・

ただ、平成22年度の行政書士試験はもう終わったので、ストーリー的にはどうするんだろうな・・・









3

できる夫

そうなんですよ。

自分の立ち位置がどうなっているのかよくわからないんですよね。
                    

                                  





できる夫さんだ。お前とは鼻があるかどうかで区別される




・・・・誰だっけ










4

できる夫目閉じ


正直、ストーリーとか考えていると結構大変なので、ここは深く考えずに取りあえず判例をやってみたいと思いますが・・・








やらない夫


うむ、おれもそう思う。今日はテンポよく、判例を進めていきたいと思う。

またストーリー展開が浮かんだら、それに合わせてくれればありがたい。









5

できる夫あご


ええ、そうします。

それでは、今日は、三菱樹脂事件を・・・








やらない夫机

よしきた。三菱樹脂事件は、憲法の規定が直接私人間の関係についても適用されるのかどうかというところが争点になった判例だ。

これは、原告が三菱樹脂株式会社に入社する際の採用試験で、原告が大学在学中に学生運動に参加したのかどうかを尋ねられ、原告はこれを否定した。ところが、その後の三菱樹脂株式会社の調査により、原告が学生運動に参加していた事実が発覚したことに端を発する。








6

できる夫目閉じ
発覚したのが、試用期間中だったんですよね。

それで、試用期間満了に伴い、三菱樹脂株式会社は原告が学生運動に参加していたことを隠していたこと等を理由に、原告の本採用を拒否したわけなんですよね。








マクリーン事件10-2できる夫くん、いつも素晴らしい合いの手を入れてくれて助かる。そう、そこで以下の2点を主な争点として裁判が行われた

・企業が特定の思想・信条を有する者の雇い入れを拒否すること
・企業が労働者の雇い入れにあたり、その者の思想・信条を調査すること(原告の思想・信条の自由を侵害するか否か)

第1審(東京地方裁判所)、第2審(東京高等裁判所)ともに原告の訴えが認められる形となり、三菱樹脂株式会社が最高裁判所に上告するという流れになった。最高裁判所では、まず、憲法が私人間の関係において直接適用されるのかどうかをまずは判示した。









7


【最高裁】

最高裁

憲法の規定は ~(中略)~ 国または公共団体の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障する目的に出たもので、もっぱら国または公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互の関係を直接規律することを予定するものではない。 



                   







8

できる夫
ここが、行政書士試験勉強でも重要なところですね。

・憲法の規定は、国・公共団体と個人との関係を規律するもの
・憲法の規定は、私人相互の関係を直接規律するものではない(すなわち私人間の関係においては直接憲法の規定が直接適用されない)







やらない夫うむ、「直接適用されない」がポイントだな。ちなみに

「私人間の関係においても、相互の社会的力関係の相違から一方が他方に優越し、事実上後者が前者の意思に服従せざるをえない場合があり、~(中略)~ このような場合に限り、憲法の基本権保障規定の適用ないしは類推適用を認めるべきであるとする見解もまた、採用することはできない」

とも判示されているので、「類推適用されるものでもない」というのも、ポイントだと考える。                       









9

やる夫正座


(2人ともすげえ真剣なので間に入れないお・・・このシリーズ、やる夫が出る幕が全くないお)












10

やらない夫



そして、最高裁判所は、続けて次のように判示した。




              





11


【最高裁】

最高裁

私的支配関係においては、個人の基本的な自由や平等に対する具体的な侵害またはそのおそれがありその態様、程度が社会的に許容しうる限度を超えるときは ~(中略)~ 場合によつては、私的自治に対する一般的制限規定である民法一条、九〇条や不法行為に関する諸規定等の適切な運用によつて、一面で私的自治の原則を尊重しながら、他面で社会的許容性の限度を超える侵害に対し基本的な自由や平等の利益を保護し、その間の適切な調整を図る方途も存するのである。
 








12



やらない夫手組み上記最高裁判所の示した考えを、俗に「間接適用説」等とも呼ぶ。要は「私人間の権利侵害に対し、民法や不法行為に関する諸規定等を用いて解決するという方法もある。すなわち、民法等の私法の一般条項の規定を解釈する上で憲法の趣旨を読み込むことは不可能ではない」というものになる。

行政書士試験勉強においては、憲法が私人間の関係においても間接適用される場合があるということを知っておくことがポイントになると考える。但し、最近の行政書士試験の内容だと、「以下の判決文を読み憲法の間接適用説と同じ考え方に該当するものをア~オの中から選択する」みたいな問題になりそうな気もするが・・・






できる夫目閉じそうですよね。最近の行政書士試験の問題は、判決文を読んである考え方に一致するもの、又はそぐわないものを選択するみたいな問題が憲法の分野では見かける印象があります。

試験中、判決文を全部読んでいると時間がなくなっちゃうので、ポイントとなる個所をどれだけ早く見つけるかが重要なんでしょうね。








13

やらない夫机
そうだな。とまあ、ここまで三菱樹脂事件のポイントをやってみた。そう、この事件の争点に対する最高裁判所の判示は以下のとおりだ。

・企業が特定の思想・信条を有する者の雇い入れを拒否すること→企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもつて雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない
・企業が労働者の雇い入れにあたり、その者の思想・信条を調査すること →企業者が、労働者の採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、そのためその者からこれに関連する事項についての申告を求めることも、これを法律上禁止された違法行為とすべき理由はない。




できる夫目閉じ

三菱樹脂株式会社側の勝訴のような内容ですね。最終的には原告と三菱樹脂株式会社で和解するという結果になったようです。









14




タバコ

ということで今回はここまでだお。次回は何の判例を取り扱うかはまだ未定。

それでは、また








【2016年10月20日追記】
本記事では憲法の私人間効力という面に重点を置いて記載をしておりますが、本件は、雇用契約における被使用者の「思想・信条の自由」(憲法第19条)と、使用者の「企業の経済活動ないし営業の自由」(憲法第22条)という二つの憲法上の人権規定が対立しているという捉え方もできます。また、本件は「雇用の際の思想調査及びそれに基づく雇用拒否が当然に違法となるわけではない」という判示であり、本件雇用契約に基づく解約権の行使が適法であるかどうかというところまでは踏み込まずに、東京高等裁判所に差し戻しています。よってこの判決をもって「雇用の際の思想調査及びそれに基づく雇用拒否は合法である」とまではいえないようなニュアンスであることに注意が必要かなと思います。



前科照会事件に続く








【やる夫で学ぶ行政書士試験関連の判例】

八幡製鉄事件

税理士会政治献金強要事件

群馬司法書士会事件

マクリーン事件

DBでいう人造人間編みたいなもの

外国人地方参政権事件

全農林警職法事件

三菱樹脂事件

前科照会事件


やる夫で学ぶ行政書士試験


平成22年度版やる夫で学ぶ行政書士試験
コメント
No title
判例シリーズキター!
最近の試験内容は丸暗記だけでなく法的思考を問うものが増加傾向にあるので、こういった判例の考え方を理解することの重要性をひしひしと感じます。
先週まで四時間残業の日が続いたりして、勉強がおろそかになってしまっていたので、そろそろテキストを開く時間を取り戻していきたいと思う次第です。
2011/06/04(土) 20:00 | URL | 受験生 #-[ 編集]
Re: No title


いつもコメントありがとうございます。ほんとに感謝します。

おっしゃるとおり、最近の行政書士試験の内容は「法的思考を問う」というものになっているというのはまさにそのとおりですね。
よって、たんに判決内容を知るだけではなく、その考え方というものを理解する必要があるという点で、非常に難易度の高い試験になってきたなと感じます。


4時間残業はすごいですね。私が受験生だったころは、平均2時間残業だったので、その倍ですから、さぞ大変だったと思われます。
2011/06/04(土) 21:25 | URL | 梅安 #-[ 編集]
No title
はじめまして。
昨年、初めての受験だったので勉強の進め方や本試験の問題の解き方など参考にさせていただきました。
判例シリーズも好きだったのでプリントアウトしてお風呂で読んでました。
4作戦や当日の食べ物などやる夫を駆使して、行政書士、無事合格することができました。
遅ればせながらお礼を言わせてください。
ありがとうございます。
今は社労士勉強中ですが私にとってやる夫は癒し系なので気分転換に読ませていただいています。
業務が忙しいと思いますがお体に気を付けてくださいね。

2011/06/05(日) 21:57 | URL | みけ #-[ 編集]
Re: No title


みけ様

コメントありがとうございます。そして、行政書士試験合格、誠におめでとうございます。
やる夫ブログを読んで頂き、それが実際に試験で少しでもお役に立てたことを、私は大変嬉しく思います。


社労士試験は記憶量が半端ではないので、かなり大変だとは思いますが、合格をお祈りいたします。

私は、今後もマイペースに、且つ、自由な感じで更新していきますので(笑)、試験勉強の合間などに読んで頂ければ幸いに思います。
2011/06/05(日) 23:39 | URL | 梅安 #-[ 編集]
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梅安

Author:梅安
性別:男性
生年月日:1980年8月19日

千葉県行政書士会所属の行政書士です。

私自身が独学で行政書士試験に合格した経験に基づき、やる夫というキャラクター等を使って行政書士試験対策等をこのブログでは書いております。

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